心のケア3
引き続き、
『震災と心のケア 子どもの心の傷がPTSDになる前に』
監修:石崎朝世、共著:片山和子/湯汲英史、出版社:日東書院
から引用して記載していきます。
今回は、一章 親が子にしてあげられる心のケア Q&Aの
Q2 「子どもが地震の絵を描いていて、心配になってきました。
どう対処するのがいいですか?」
について記載していきます。
”■ 震災の衝撃から心の健康を取り戻す手立て”
震災は子ども心にも大きな影響をあたえました。
子どもたちは、目の前に襲ってきた光景に衝撃を受けたはずです。
そしてそれだけではなく、身近にいた大人のただならぬ表情に恐怖心を
抱いた子も少なくないのではないでしょうか。
普段、大人をあてにしている子どもにとって、大人の動揺は影響があるものです。
震災によって、子どもたちは大きな恐怖心を植え付けられました。
このような恐怖心から心の健康を取り戻す手立てとして、絵があります。
”■ 震災の絵と子どもの心の関係”
絵を描く白い紙、画用紙全面が子どもの心の広がりとなります。
子どもはそこに、自分の描きたいものを描いていきます。
―それはどんなふうに? 何を描くか?
―波に呑み込まれる絵、誰かの顔?
地震自体の絵ではなくても、地震を受け止めた絵は地震の絵です。
―どれくらい描きこんでいるか?
―絵の大きさは、はみ出すくらい大きい?
―それとも大きい紙の隅などに、小さく描いている?
画用紙に描く絵の大きさは、子どもが外に出せる心の分量として受け取ることができます。
―集中して描き続けられるか?
それができているのなら、その子は自分の世界を持てています。
―何色を使うか?
―明るい色? それとも真っ暗?
―そうではなくて、どんよりした色?
使う色は、その色を選んで使った子どもの心の色です。
―絵の筆圧はどれくらい?
―力強い? 怒りにまかせているかな?
―おずおずと、薄くしか描けていない?
絵の筆圧は、その子が外にだせる心の強さ、制御心、弱さとして受け取ってください。
”■ 子どもの絵は描くこと自体に意味がある”
子どもの絵は描くこと自体に意味があります。
子どもが絵を描くというプロセスそのものに意味があるのです。
子どもにとって絵を描くこと自体がカタルシスとなり、
子どもの心の健康を保つものとなります。
ですから、子どもの遊びとしての絵は、
あまり言葉で理解しようとするなど言語化しないほうがいいといわれます。
”■ 子どもの絵の特徴と意味”
子どもが描く絵は、しばしばおかしいところがあります。
大人としては、絵をもっとうまく描けるように教えてあげるつもりで、それらのおかしな点を
指摘することがあります。
けれどもそれは必ずしもその子にとって必要な配慮とは限りません。
「目を描いてないでしょ?」
「それはそんな色じゃないでしょ?」
「もっと大きくゆったり描きなさい」
このような大人の言葉は、子どもにとって不要なことであることの方が多いのです。
このような大人の視線で指摘をすることによって、
その子どもの絵に見えていた内面が見えなくなってしまうのです。
”■ 子どもの絵の意味”
では、子どもはどういう理由で、大人からは奇妙に見える絵を描くのでしょうか。
手をよく使う子は手を大きく描く、ということがあります。
ガミガミ言われるのが嫌で耳をふさぎたい子は、耳を描かない絵を描くということもあります。
大人はこれらの子どもの心や意味、あるいはメッセージなどを、
その絵から感じ取ることが大切なのです。
子どもの絵は、うまくかけることがいいというわけでもありません。
多くの一般的な子どもにとって絵を描くことは画家になるための訓練ではないのです。
子どもが絵を描くことによって、ありのままの自分の感情をぶつけられるようにしてあげましょう。
”■ 絵以外でのカタルシス”
ここでは絵を描くことについて触れましたが、同じような効果は絵を描くこと以外にもあります。
たとえば、話すこと、泣くこと、書くこと、寝ること、踊ること、走ること、遊ぶことなどなど・・・・・。
これらを子どもが行うことによって、心の回復になったり、心の成長を促すのです。
これが情操教育だといえます。
以上がQ2につての内容です。
次回の更新のこの本のなかからピックアップしていこうと思います。
<太陽くん>
『震災と心のケア 子どもの心の傷がPTSDになる前に』
監修:石崎朝世、共著:片山和子/湯汲英史、出版社:日東書院
から引用して記載していきます。
今回は、一章 親が子にしてあげられる心のケア Q&Aの
Q2 「子どもが地震の絵を描いていて、心配になってきました。
どう対処するのがいいですか?」
について記載していきます。
”■ 震災の衝撃から心の健康を取り戻す手立て”
震災は子ども心にも大きな影響をあたえました。
子どもたちは、目の前に襲ってきた光景に衝撃を受けたはずです。
そしてそれだけではなく、身近にいた大人のただならぬ表情に恐怖心を
抱いた子も少なくないのではないでしょうか。
普段、大人をあてにしている子どもにとって、大人の動揺は影響があるものです。
震災によって、子どもたちは大きな恐怖心を植え付けられました。
このような恐怖心から心の健康を取り戻す手立てとして、絵があります。
”■ 震災の絵と子どもの心の関係”
絵を描く白い紙、画用紙全面が子どもの心の広がりとなります。
子どもはそこに、自分の描きたいものを描いていきます。
―それはどんなふうに? 何を描くか?
―波に呑み込まれる絵、誰かの顔?
地震自体の絵ではなくても、地震を受け止めた絵は地震の絵です。
―どれくらい描きこんでいるか?
―絵の大きさは、はみ出すくらい大きい?
―それとも大きい紙の隅などに、小さく描いている?
画用紙に描く絵の大きさは、子どもが外に出せる心の分量として受け取ることができます。
―集中して描き続けられるか?
それができているのなら、その子は自分の世界を持てています。
―何色を使うか?
―明るい色? それとも真っ暗?
―そうではなくて、どんよりした色?
使う色は、その色を選んで使った子どもの心の色です。
―絵の筆圧はどれくらい?
―力強い? 怒りにまかせているかな?
―おずおずと、薄くしか描けていない?
絵の筆圧は、その子が外にだせる心の強さ、制御心、弱さとして受け取ってください。
”■ 子どもの絵は描くこと自体に意味がある”
子どもの絵は描くこと自体に意味があります。
子どもが絵を描くというプロセスそのものに意味があるのです。
子どもにとって絵を描くこと自体がカタルシスとなり、
子どもの心の健康を保つものとなります。
ですから、子どもの遊びとしての絵は、
あまり言葉で理解しようとするなど言語化しないほうがいいといわれます。
”■ 子どもの絵の特徴と意味”
子どもが描く絵は、しばしばおかしいところがあります。
大人としては、絵をもっとうまく描けるように教えてあげるつもりで、それらのおかしな点を
指摘することがあります。
けれどもそれは必ずしもその子にとって必要な配慮とは限りません。
「目を描いてないでしょ?」
「それはそんな色じゃないでしょ?」
「もっと大きくゆったり描きなさい」
このような大人の言葉は、子どもにとって不要なことであることの方が多いのです。
このような大人の視線で指摘をすることによって、
その子どもの絵に見えていた内面が見えなくなってしまうのです。
”■ 子どもの絵の意味”
では、子どもはどういう理由で、大人からは奇妙に見える絵を描くのでしょうか。
手をよく使う子は手を大きく描く、ということがあります。
ガミガミ言われるのが嫌で耳をふさぎたい子は、耳を描かない絵を描くということもあります。
大人はこれらの子どもの心や意味、あるいはメッセージなどを、
その絵から感じ取ることが大切なのです。
子どもの絵は、うまくかけることがいいというわけでもありません。
多くの一般的な子どもにとって絵を描くことは画家になるための訓練ではないのです。
子どもが絵を描くことによって、ありのままの自分の感情をぶつけられるようにしてあげましょう。
”■ 絵以外でのカタルシス”
ここでは絵を描くことについて触れましたが、同じような効果は絵を描くこと以外にもあります。
たとえば、話すこと、泣くこと、書くこと、寝ること、踊ること、走ること、遊ぶことなどなど・・・・・。
これらを子どもが行うことによって、心の回復になったり、心の成長を促すのです。
これが情操教育だといえます。
以上がQ2につての内容です。
次回の更新のこの本のなかからピックアップしていこうと思います。
<太陽くん>
by zemi21 | 2011-09-27 12:18 | 心のケア